芦田さんから、ブラウザの都合で切られてしまう旨の連絡を受けました。
代理投稿します。
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ではでは、簡単な感想を書かせていただきます。
田中吉史/弦楽四重奏曲"fuggitivi"は、確かに「とらえどころがない」音楽。
終りに向かう部分は、とても成功していたように思います。作曲者の意図が直
接伝わってきました。前半はなんともいえません。
田村文生/クラリネット6重奏曲「春分点」では静かな部分と発作的な部分と
が交替していました。第二楽章は、「むらっ気なピエロ」とでもあだ名をつけ
たい曲です。(私の中ではピエロという存在はなぜか異化の権化というイメー
ジがあります。)
横島浩/「情愛のない性格」のIIaとVIIIaの同時演奏はジョン・ケ−ジの精神
をそのまま受け継いだもので、あまり創造性が感じられませんでした。思わせ
ぶりなタイトルも気に入りませんが、ぜひ全曲同時演奏により、オーケストラ
作品として聞いてみたいものです。
鈴木治行/Sunriseは題名にもかかわらずかなり抽象的でした。「聴覚的イリュー
ジョン」を感じさせるにはちょっと物足りませんでした。六曲のなかで、最も
印象に残っていないのはなぜでしょう。
エリック・オニャ/Petでは、少女がぶらんこを揺らすような情景が思い浮か
びました。ただ、個人的に、弓を弦の上で力なくこするような、静的な音楽は
どうも苦手。
山本裕之/北回帰線を聞いて、山本さんの作風が見えてきました。フルート、
ファゴット、打楽器によって繰り返し奏される機械的(だが何とも効果的)な
モチーフは、反復的な「東京コンチェルト」での低音に打ち込まれるのくさび
を思わせました。金管楽器の特殊奏法などの織りなす(いい意味で)グロテス
クなテクスチャはとても魅力的でした。
厳しめのコメントになりましたが、この演奏会に携わった皆様、おつかれさま
でした。