Re: 創作の目的

投稿者:柚木々滋
投稿日:97年9月07日 04時08分57秒
リモートホスト情報:osk3162.bekkoame.or.jp
芦田直之氏の投稿「 創作の目的」に対するコメントです

(内容)

> 前衛芸術一般に関心のない人に言いたいことですが、思考の共有が容易で
> ないからといって、すぐ背を向けるのはもったいないと思います。

> これを知人に言ったら、

> 「たしかにそう思います、でもやっぱりこれが難しいのは、彼らはそういうも
> のを芸術に求めていないからだと思います。芸術に対する考え方・アプローチ
> が違うんですよ、きっと。」

> という返事がかえってきて、なるほどと思ったのですが、ほんとにこのまま見
> 過ごしてでいいことなのでしょうか。いつまでも「わかる人だけがわかってい
> れば」いいのでしょうか。

> 創作の目的って何なんでしょうか。僕は人に何かを与えることができるからだ
> と信じてきました。ほんとうにいいものは時間と空間を越えて多くの人々の共
> 感を得ていく。少しの人にしか共感を与えられないとしたら‥‥

> 芸術家は認められるために芸術を生み出しているのではないことはうすうすわ
> かっています。共感を得ることと、作者が何かを芸術に託すということはどの
> ように両立するのでしょうか? 音楽に託したものはどのようにして自己満足
> や一人よがりに転じてしまうのでしょうか?ほんとうにいいものとはとはいっ
> たい‥‥?

「自己満足」や「ひとりよがり」に転じる時というのは、
統計的立場から見た(他人を意識した場合の)批評にすぎないと思います。
本来それは音楽から産まれるのではなくて、「意識」から産まれるのだと思います。
で、
ほんとうにいいもの、とは?
ほんとうにいいものとは、
あらゆる情報に左右されている事も考えながら、
現段階のあらゆる意味での最も快く感じるものだと思います。
これ以外、ないですね。
これは「将来的に」という意味もその時考えているのであればもちろん、含まれます。
合理的に考えたい本人が将来的な事も含めた快感を「わからない」事は、しょうがないです。
芦屋さんは、おそらく、この辺りを聞きたいのではないかと勝手に推測しますけど、
それは、本人以外、非常にわかりにくい物だと思います。
という事で、これはあたりまえの話なので、
ほんとうにいいもの、なんて、個人個人によって違うので、
(それは、皆が皆、違う情報(環境)を与えられ、違うDNAを持っているという事、
もちろん、似た環境で、似た生物であるので、統計的な傾向としては、あるんでしょうけど)
自分を素直に(本当に)見つめた上で私は音楽によって何を求めているのだろう、
という事を考え、それを認識すれば(もちろん、「何を」は複合していると思う)いいのではないかと
思います。

「共感を得る」というのは、人間の本能でもあると思うので少し、、
「共感を得る事」と「自分を音楽的に満足させる事」を両立させたいと思っている音楽家がいたとし
て、
その二つは現在かなりかけ離れているとして、実現させるための手段は、
1.「自分を変える」
2.「周りを変える」
(2−1人間をとっかえる、2−2影響を与えて現在周りにいる人間の思考を変える、どちらでもよ
い)
この二つしかないと思います。
実際,みなさん、この方法でやっていると思います。
最も、やられている方法は、私が思うに、
まず、「周りの環境を変える」、これは、「同じ様な趣味の人達の中に行く」で、
その次に、やはり、同じ様な趣味の人といっても、やはり、違うので、なんとか、その中で評価されよ
うと、
「自分を変える」。
なるほど!

「ほんとうにいいものは時間と空間を越えて多くの人々の共
感を得ていく」のではなくて、「芦屋さんにとって時間と空間を越えて多くの人々の共
感を得ていくものは、ほんとうにいい」という事でしょ?
で、こうだとしていうと、時間と空間を越えて多くの人々の共
感を得ていくものって、あまりにも、「大き」すぎて僕にはピンと来ません。
時間と空間を越えて多くの人に共感する物がほんとうにいいもの、と思ってしまったら、
それって、過去の音楽を情報によって、探す事以外はすごく大変な事だと思うし。
もし創作する側だったら、さらに、過去の音楽なんて作れないわけだから。
もちろん、わからないから妥協しているのではなくて、
今の段階で、「過去の時間と空間を越えて多くの人に共感を得ている物」というのを
聴いた上で判断しているわけですけど。

時間も空間も違う場所の多くの人に共感を得る物って、
「時間と空間と人間を画一化する影響力のある物」
それ以外の物ならば「偶然の産物」か
「未来予測と世界の様々な場所の分析能力と心理学/
音楽心理学に人間離れの凄さでたけた人が作る物」。
になるような気がします。

僕の場合、
創作側にとって共感を得る事って凄くエキサイトな事かもしれないけど、
時間も空間も違う全く関係のない人の共感を得る事なんて、
あまりどうでも良いし(それが自分の死後の人ならば、絶対どうでも良いです)、
そういう音楽を聴きたいとは思わないです。
「凄いなあ」とは思うけど、それは「円周率,三万桁覚えた」
というのを聞いて、「凄いなあ」というのに限りなく近かったりします。

で、僕は頭が悪いので、ごめんなさいして、もしも、
この掲示板を読んでいる人の統計的な趣味が聞きたいという事だったのであれば、
僕の趣味(というか、ほとんどの人もだと思いますけど)
は、超複合/分裂/混沌的なので、自分でもとてもいい表せないないです。
まして一言で片づける事なんてできません。すみません。


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