1999年4月
普段良く利用する駅の階段脇にはガラス張りの台座があって、その中にはいつも生け花が飾られています。正確な時計の時間で動いている駅構内のざわめきの中で、そこだけが数日のいのちの時間を花と器で共有しています。
こんな二つの時間を同時に体験する面白さもありますが、もうひとつの楽しみは、花そのものの変化です。
花を活ける人の指先、水の温度、花器の肌触り、差し込む光、潮の香りを含んだ風等の記憶を刻み込んだ花は、時と共に少しづつ変容していきながら、私の目にゆるやかにその姿を焼き付けていきます。
そしてある日、跡形もなくきれいに片付けられて、そこには別の花器に別の花が、、、。命の生かし方としまい方について、ほんのちょっとだけ考える瞬間です。
今の季節の木々の緑色は本当にきれいですね!どうぞ素敵なGWをお過ごし下さい。ではまた5月に。









1998年12月
1999年1月
1999年2月
1999年3月



(c)1999 Mitsuko Kado