冬の朝。鍵盤はとてもひやりとしています。触れている指先はすぐに真っ赤になってしまいますが、そのまま指のための練習を注意深く続けます。 | |
半時ほど経つにつれて、木(鍵盤)は私の体温をその内側にとどめていきます。私はこの木が大地に根差していた頃の様子を、少しばかり想ってみたりします。木の温もりが心地好くなったら、ひとまず休憩です。 | |
こんなひとときを鍵盤と共有した後、『ピアノをひく・・・人間の指がダンスする。』(ヴィトゲンシュタイン)の段階へと私は移っていきます。 | |
風邪の季節。暖かい飲み物が嬉しいですね。それではまた三月に。 | |
(参考文献)ヴィトゲンシュタイン「反哲学的断章」丘沢静也訳 青土社 1995年 P101 |