1999年3月
通し稽古が始まるには少し時間があった。広いスタジオの大きな鏡の前で、彼はゆっくりとギターを弾いている。ピアノの前の私は、教えてもらったばかりのコード進行を覚えながら、短いパッセージをパラパラと軽く弾く。
彼がふと顔を上げて私を見つめる。そのまなざしは柔らかく、どこまでも深い。そしていたずらっぽく一言。
"Mitsuko,musica."
その目に私も頷き返す。
"Si..."
音と戯れるのが好き。戯れに音を出さず、音に遊ばれず、音ヲ遊ブ。
春ですね!先日白いタンポポを近所の人からもらいました。このコーナーへ励ましや感想、そして助言などを寄せて下さっている方々に心よりお礼申し上げます。これからもどうぞよろしくおねがいします。それではまた4月に。









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(c)1999 Mitsuko Kado