赤い下着とダンディズム——
リュク・フェラーリ


中川賢一(ピアニスト/指揮者)


 まから4、5年前になるだろうか、知人より、「『ウント・ゾー・ヴァイター』という大太鼓をバンバン叩きながらピアノを弾くすごい曲があって、作曲者の名前がフェラーリって言うんだ」と言うようなことを聞いてから興味を持っていた。「フェラーリ?車」って言う感じで何人かもわからなかった。そのとき私はヨーロッパにいたので、知人にきいて直接電話をしてしまった。まあヨーロッパでは興味を持ったら即、直アタックと言うのは良くあることで私もその例に漏れないのだが、非常に丁寧な方でパリに行って直接お会いする約束まで取りつけた。ところが突然他の仕事が入りあえなくなってしまってまたの機会にといっていたら、なんと私のすんでいたところの現代アンサンブルの演奏会で新曲を取り上げるために来ると言うことが発覚し、また電話をして結局、私のすんでいた所でご対面となった。その知人はフェラーリのことについて「とてもナイスでエロティックだ」というのでなんか良くわからないコメントだったが、彼のCDを買いに行ったら、そこには女性が赤い下着を着ているのが拡大され、下に微笑んでいるフェラーリの姿があってなんとなくいっていることがわかった。まあそんなこんなでその後私のすんでいたところで彼と会ったが、一目で魅力に取りつかれた。紳士だ。とてもおしゃれだ。そうしていろいろ歓談したら、「ウント・ゾー・ヴァイター」の譜面の他幾つか手渡してくれた。ただ彼は「これは古い作品だから・・・」とあまり興味を持っていなさそうであった。作曲家はいつもそうなのかも…それが彼との出会いだった。
 座に彼のCDを買いあさったが、「失われたリズムを求めて」とかいうしゃれた題名も気に入っていつかこの曲も弾きたいと思っていたがこのジャズのようなフリーのような曲はいったいどんな楽譜なんだろうと思っていたので、彼の家に行くことを決め電話をした。
 れから一年後パリの郊外の彼の家に行くことが出来その閑静な住宅地にはおしゃれな邸宅があり落ち着いたきれいな奥さんとすんでいた。そのときに様々な魅力的な楽譜と共に、彼が私に弾くことを薦めてくれた「コレクション」の楽譜ももらい、その数十曲からなるその曲の曲間に十数枚不思議な絵と言うか、模様があるので「これは何だ?」ときけば「女性のスペシャルパートの拡大図だ」と言うのでそれがいかに音楽に影響するのか考えてしまった記憶がある。「ウント・ゾー・ヴァイター」の奏法を聞けば「ヘチマを弦に乗せる」とか「爪切りで弦をはじく」とか「ビリヤードボールを弦に落とす」とか「ワインのコルク抜きで弦をこする」とかいろいろ細かかった。とにかく彼のことがなんとなくわかってきた。
 に「失われたリズムを求めて」とかなかなかしゃれた題名をつける人だなと思っていたが、彼の曲を聴けば聞くほどその魅力に取りつかれそのポップでおしゃれでちょっとエロティックな音楽はいつか彼を日本に紹介したいという欲求に変っていた。今回のプロジェクトを迎えることが出きるのを本当に嬉しく思っている。
 非皆様おいでください!!!!!


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